合戦名 | 三増峠の戦い | |
合戦の年月日 | 永禄12年(1569年)10月8日 | |
合戦の場所 | 神奈川県愛甲郡愛川町の三増周辺 | |
合戦の結果 | 武田軍の勝利 | |
交戦勢力 | 武田軍 | 北条軍 |
指導者・指揮官 | 武田信玄 | 北条氏照、北条氏邦 |
戦力 | 20,000 | 6,000~20,000 |
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[sengoku-1]概要 (説明はWikipediaより)
永禄12年(1569年)10月8日に武田信玄と北条氏により行われた合戦である。
戦国期に領国を接する武田氏と北条氏は武田信虎・北条氏綱期には甲斐都留郡において抗争を続けていたが、やがて両者は和睦して甲相同盟が結ばれ、これに駿河今川氏との同盟を結び甲相駿三国同盟の締結に至り、武田氏は信濃侵攻を行い北信地域において越後の長尾景虎(上杉謙信)と抗争し、北条氏は北関東侵攻を行い同じく越後上杉氏と抗争し、両者は相互に協調して上杉氏に対抗していた。
武田氏の信濃侵攻は、5回の川中島の戦いを契機に収束し、武田氏は方針を転換し永禄11年(1568年)12月には同盟を破棄して駿河今川領国へと侵攻を行う(駿河侵攻)。
武田氏の駿河侵攻は甲相同盟の破綻をも招き、北条氏は上杉氏と越相同盟を締結し、武田氏に対抗した。
[sengoku-2]翌永禄12年(1569年)1月に北条氏政は駿河薩埵峠へ着陣し、興津において武田勢と対峙している。
同年8月24日に武田信玄は2万の軍勢を率いて甲府を出立、廿里古戦場にて小山田信茂1000人が北条氏方2000人を打ち破り、滝山城(包囲のみ)などの北条方の拠点を攻撃したのち、犬越路を通って10月1日には北条氏康の小田原城を囲んだ。
当時の小田原城は有名な惣構えが着工前であったが、かつて上杉謙信が10万以上の兵力で落とせなかった堅城であったため、城攻めはせず小田原城を包囲し3度にわたって挑発した。
しかし北条側は小田原城を出ることはなかった。
武田軍は包囲を開始して4日後の10月5日に城下に火を放ち軍勢を引き上げた。
北条氏は後詰めであった甲州街道守備軍の北条氏照、秩父方面守備軍の北条氏邦の軍勢2万が要所である三増峠(相模原市緑区根小屋 – 愛甲郡愛川町三増)に着陣し、甲斐に帰国しようとする武田軍相手に有利に戦端を開いた。
さらに北条氏政が2万余りを率いて氏照・氏邦の部隊と武田軍を挟撃、殲滅する作戦であった。10月6日には武田軍と北条軍が対陣することになった。
[sengoku-3]氏政本隊は到着前であったが、氏照・氏邦の部隊は先手を打って奇襲攻撃を仕掛けようとしていた。
これを察知した信玄は部隊を3隊に分けた。
北条軍の攻撃を正面に受けつつ、1隊は津久井城の抑え、1隊は山中に隠れ北条軍を横から急襲する作戦であった。
10月8日に両軍は本格的な交戦を開始する。
緒戦では北条軍有利に合戦は経過した。
そのため武田軍は損害を受け、北条綱成が指揮する鉄砲隊の銃撃により左翼の浅利信種や浦野重秀が討ち死にしている。
しかし、志田峠 (三増峠南西約1km) に機動した山県昌景率いる武田の別働隊が、より高所から奇襲に出ると戦況は一気に武田に傾いた。
北条軍は背後の津久井城守備隊の内藤隊などの予備戦力が、小幡信貞、加藤景忠ら武田軍別働隊に抑えられて救援に出られず、大きな被害を受けている。
武田左翼大将である浅利信種が戦死した左翼では、軍監であった曽根昌世が代わりに指揮をとり、綱成の軍勢を押し戻すことに成功している。
緒戦では苦戦したものの、最終的には武田軍の勝利とされている。
また、武田軍が千葉氏が在陣しているところに向かって「千葉氏と言えばかつて北条と対し、互角に渡り合った衆であろう。
それが北条に僕として扱われることに不満はござらんのか」と大声で呼びかけ、これにより千葉氏が勢いを鈍らせたとも言われている。
合戦が終わる頃、小田原から追撃してきた氏政の北条本隊2万は荻野(厚木市)まで迫っていたが自軍の敗戦を聞きつけ進軍を停止、挟撃は実現しなかった。
もし氏政の部隊が到着していた場合、武田軍は挟撃されて逆に大敗していた可能性もあった。
自軍の勝利を見た信玄は軍勢を反畑(相模原市緑区)まで移動させ、そこで勝ち鬨を挙げた。
その後武田軍は甲斐に撤退した。
この戦いで武田方では西上野の箕輪城代・浅利信種が戦死し、信種戦死後に箕輪城代は浅利氏から内藤昌秀・昌月親子に交代している。
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